医療法人高橋歯科医院   〒020-0022 岩手県盛岡市大通り1-2-1サンビル別館2F  TEL.019-651-0202

TAKAHASHI DENTAL CLINIC




インプラント

3D CTの有用性

難しいインプラントオペが無事に終わりました。

通常、インプラントは顎の骨に垂直に植立するのですが、骨が少ない場合はわざと傾斜させて植立しなければならない時があります。この時には普通使うパノラマレントゲンだけでは役に立たず、CT撮影をして骨の断面像を見ます。今まではフィルムに焼いたCTの平面画像を見て立体像をイメージしていたのですが、昨年導入したシステムによってCTデータからパソコン上で立体像を描き、3次元で術前にシュミレーションができるようになりました。これは革命的な進歩です。何より術者が安心して術前にオペのイメージを持って現場に臨めます。術者が安心するということは患者さんにとって何よりも非常に大きなメリットになります。

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CTからデータを取り込んで立体像を構築しますこれは左前方から見た上顎骨です。
360°回転・拡大でき透過度も変更可能です。

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顎骨を透過させた状態です。骨のある部位を探してインプラントの方向、サイズをシュミレーションします。

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上顎を下から見た図です。

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緑色の点々は上顎にある空洞の輪郭を表しています。空洞なのでここを避けてインプラントを植立しなければなりません。360°動かして方向を確認します。立体像だからこういうシュミレーションが可能になりました。

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術後のレントゲンです。ほぼイメージ通りに埋入できました。
シュミレーションがなかったら私は2時間以上かかったと思いますが、約1時間で埋入が完了しました。
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インプラント/アメリカと日本

先週の連休はインプラントのシンポジウムを聴きに東京に行って来ました。
アメリカの大学教授が2名と日本の若手のトップが2名、2日間にわたってレクチャーしてくれました。

インプラント治療はアメリカでも非常に盛んなのですが、いまいち解らないのが「移植」についての感覚です。インプラント治療をしたくても骨がないところには不可能です。その場合は、骨を誘導して作る(GBRといいます)か、骨を移植するかになります。そこでその骨自体が問題なんです。日本国内では狂牛病がさんざん騒がれて来た経緯もあり、自分の骨を他のところから採取して移植することが一般的ですが、あちらでは牛骨・人骨(!)を加工して(プリオンやウイルスは死滅していると言っていますが)移植するのが普通のようです。当然、リスク等の説明をしているわけです。しかもそれらがちゃんとFDAという政府機関の認可を得て販売されているというのが信じられません。訴訟大国のアメリカでなんでそんなことが普通なのでしょうか?日本では一部を除き、厚労省は認可していません。ところがそれら移植材料は個人輸入という形でアメリカから入手可能で、日本でも平気で使ってる先生がたくさんいます。これもびっくりですよね。

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インプラントへの不安 患者さんの本音

インプラントのオペを受けられた患者さんからメールで感想を頂きました。
インプラントをやると決めてからオペまでにネットなどでいろいろと情報を集められたことや、まわりの経験者の方に感想を聞いた事など、私が知る由もないことが書いてあって、心から悩まれた様子が伺えました。

インプラントのオペは外傷や病気のオペとは違って、健康な方が自分の意志で選択して受けるものなので、悩まれるのが当然なことだと思います。しかしながらその事を我々サイドも頭ではわかっていても、医者はつい「このオペはどうしたらうまく行くか」に目が行きがちです。自分が受ける立場だったらと常に考ることが、患者さんの不安な気持ちを少しでも和らげることにつながると改めて感じました。H.Y.さん、ホンネの一端だと思いますが感想をありがとうございました。
tdcline

Straumann Implant

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上顎第一大臼歯部に1本植立しました。

上顎の骨と下顎の骨の硬さを例えると(例えが不適切かも・・)南部せんべいと堅焼きせんべい(?)ほどの違いがあります。つまり上顎骨は柔らかく、長期的に安定したインプラント修復は難しいのです。数多くの過去の文献のデータからも上下の成功率の差は明らかです。

前歯部から小臼歯部にかけては上顎骨の中では硬い部分ですが、奥歯=大臼歯部はスカスカなことがよくあります。おまけに大臼歯部の上には上顎洞という鼻腔からつながっている空洞が存在していて、使える骨が少なく柔らかいという非常にシビアな部分です。しかも困ったことに咬合力=咬む力がいちばんかかる所でもあるわけです。

そうした不利な状況ながら、今日の方は例外的に骨の高さも+幅も10mmあったのでシングルスタンドといって1本だけ埋めて、単独で修復が可能だと判断しました。対合する下顎も1本だったためです。また、ドリルは最初だけしか使用せず、オステオトームというもので穴の直径を広げつつ骨を圧縮して骨の硬さを少しでも改善します。通常は強度の点から2本以植立します。

ここ数年、通常はBrånemark systemというストレートタイプのインプラントを使用していますが、今回のような場合はできるだけ直径の太い、テーパーがついたタイプのほうが有利です。その方が埋めた時の安定性に優れています。また、臼歯部ということで清掃性が良いタイプが望ましいですよね。

ということで今回は Straumann というメーカーのテーパータイプのTE Implantというものでいちばん太いものを使用しました。数年前まではこのメーカーしか使っていませんでしたが、利点・欠点(何でもそうだと思います)があり、最近あまり使わなくなっていました。ですが、利点を生かして使用すれば素晴らしいsystemです。どこかの国の防衛省と違って、やはりひとつに偏るのは賢くはないですから。ケースバイケースで使い分けています。

私は過去12〜13年はこちらの Straumann(以前はITIという名前でした)をメインで使っていました。インプラントが骨とくっつく(骨の細胞がインプラントの表面構造に浸入してくるのです)ことをオッセオインテグレーションosseo-integrationと言いますが、私の経験から感触としてStraumannの方がBrånemarkよりくっつくのが早い気がします。世界的な実績と歴史もあり素晴らしいシステムです。